「体罰禁止法」は親を罰するための法律ではないんです。

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ちょっと衝撃的な事件が。
近所で子供が仲良くしているお子さんのお宅に夜、パトカーがたくさん来ていました。

心配になってあとでお父さんのほうに話しかけてみたことから、思いをまとめます。

育児が大変

奥さん(お母さん)、子育てが思うように行かなくて、とても悩んでいたそう。
以前は相談機関に行ったこともあったが今はない。
前職の良くしてくれる友人とも連絡を取らなくなり、だれにも相談できない状態。

どうやって子供に接していいかわからないと思い詰めていたところ、
いろいろ重なっていっぱいいっぱいになってしまった。

今回はパトカーは来ていたけれども、お子さんもご家族も身体的に傷ついた、傷つけた、
ということはなかったようです。

お母さんの言っていたこと

自分自身はかなり厳しくしつけられてきた。
やんちゃなお子さんでなかなか手がかかる。
なのに世間では体罰禁止法が制定され、手を上げたら罰せられることになった。
もうどうやって子育てしていっていいかわからない。

児童虐待禁止法(体罰禁止法)について

ちょうど先日、児童虐待禁止法が閣議決定され、
明橋先生にラジオで語っていただいたところでした。
聞かれたい方はコチラ →ココロがほっとするラジオ

長くなりますが、ポイントと要旨を改めて書きます。

ポイント

・親を罰するための法律ではなく、体罰の危険性を啓発するための立法であること

・体罰の禁止とともに、体罰にかわるしつけの方法の啓発がセットでなければならないこと

1、体罰の危険性は、すでに科学的に立証されている。

日本の調査でも、体罰を用いたしつけは、短期的に見ると有効に見えても、時間がたつにつれ、特に言葉、社会性の発達に、はっきりと遅れが生じていた。

(服部祥子・田原正文『乳幼児の心身発達と環境―大阪レポートと精神医学的視点―』) 2、

2.確かに、リスクが上がるということであって、皆がそうなるわけではない。

けれども、リスクは避けられるのであれば、避けたほうが良いのでは。
例えば自分が子どものころはよく効く薬だとされてたものが、重大な副作用があると証明された。それでもかつては効いたからと、子供に与えるのか?

3.ただ、体罰にも二通りある。

・体罰はいいこと、と思っている体罰
・体罰はしたくないと思っていても、ついつい叩いてしまう体罰

後者は悩むし相談もする、支援も入りやすい。
より問題なのは前者。悪いと思っていないのでどんどんエスカレート。

こういう前者の人にも、体罰の危険性を知らせるための立法。
決して親を罰するための法律ではない

4、世界の状況

体罰を全面禁止する法律を制定している国は54か国。どんどん増えている。

そして、SDGs(持続可能な開発目標:2015年に国連が採択) でも、2030年までに世界の国が協力して、17項目の目標を達成することが定められた。その中に、子どもへのあらゆる暴力を撲滅することが掲げられている。日本は、その理事国になっている。世界中の国で、子どもへの暴力をなくすために、リーダーシップを取る立場。

5、体罰を禁止した国のその後は?

 スウェーデン、フィンランドなど世界に先駆けて体罰を禁止した国、またその後制定した国でも多くの国で児童虐待が減少していることから、WHOやアメリカ疾病予防管理センター(CDC)は、体罰の法的禁止を、虐待防止のためのエビデンスのある施策として提唱している。

6.体罰を禁止すると、子供の犯罪が増えるのではないか?

→スウェーデンでは1983〜1996 年に窃盗、麻薬、子どもに対する暴力や強姦などの様々な犯罪に関与した 15〜17 歳の子どもの数が減少し、1971 から 1997 年の間の若者の自殺、酒や薬物の使用が減少している。

7.体罰を禁止すると、では子どもをどうしてしつけたらいいのか?という疑問が生じる

だから体罰禁止法の制定は、体罰に代わるしつけの方法の啓発と、必ずセットでなければならない。体罰に代わる有効なしつけの方法はすでに開発されているし、有効性も実証されている。(コモンセンスペアレンティング、ペアレントトレーニング、ポジティブ・ディシプリンなど)
体罰を肯定する人は体罰以外のしつけの方法を知らないから体罰をしてしまう。

8、結論:体罰禁止法の制定は児童虐待防止の大きな一歩

思ったこと

このお母さんは、こういった法律の制定された目的や意図をご存じでなかった。

そして、目の前のお子さんに対して、どういっても聞かない、でも、手を上げたら即罰せられると思われて、いっぱいいっぱいになってらっしゃったんだと思いました。

私自身はもともとは自身の自己肯定感について、そして子育てから、心の成長や親としての関わりについて学んできました。
知識を得たことで、自分が変わり、子育てでも困ったとき立ち返れる教科書がある状態で、助けられていることばかりです。
今回のことでこれまでの学びが大きな宝だったと改めて思いました。

私にできること

明橋先生もご自身この立法に対しての思いをたくさんの人にシェアしてほしいとのことだったので、今回まずブログにまとめてみました。

近所のお母さんは、どうやったら力になれるんだろう。
お父さんからは話しかけてくれて気持ちが楽になりましたとLINEをもらい、
体罰禁止法についても簡単にお伝えしました。
お母さんのほうは家からあまり出れない状態のようなので、
お顔を見たら声をかけていこうと思っています。

これからできること

本当に困っている人に必要なサポートが届くには。
昨日からずっと考えています。

なかなか相談機関には足を運ばれないだろうし、
いっぱいいっぱいになったら、友人とも疎遠になってしまいがち。
未就学児なら保育園、幼稚園の先生とだったら送迎の時に毎日会うかもなど。

保育士でも行政の職員でもないできることは。
・こうやってメッセージを発信すること。
・あとはせっかく学び深めた子育てハッピーアドバイスの内容をシェアする場をつくっていきます。(おしゃべり会、講座など)
 詳細これから考えますが、アドバイスや依頼があればぜひお声を聴かせてほしいです!


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あやこ

あやこ

「自分の人生を生きる人を増やす。誰でもいつからでも幸せになれることを体現して伝える」が、ライフワーク。 金沢でコーチングを通して大人と子どもの自立(自己肯定感UP)を提供しています。詳しいプロフィールはこちら
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